藤孝建設の副代表を務める阿部さん。同氏が作成するWeb用コラムにはユーザーが知りたい情報が散りばめられており、そのクオリティはアドバイザーも絶賛している。
SEO対策にも真摯に取り組んでおり、<キッチン リノベーション>での検索順位は上位表示される。
※写真 副代表 阿部 哲
中古マンションのリノベーションを手がける藤孝建設。公社支援は2年目の企業。昨年度はローカルSEOとコンテンツSEOに取り組み、成果を上げている。今年度はお問い合わせの質の向上を目指し、あらためて自社の強みを深掘り。ペルソナを見直し、Webサイトも新たなターゲットに訴求するためのデザインやコンテンツに改修した。
■本事業に申し込んだ背景■
自社集客を増やしたい
当社は中古マンションのリノベーションを主事業としています。近年、新築マンションの価格高騰によってニーズが一層高まっており、特にお客様の生活やお好みに合わせ自由にアレンジできるスタイルのリノベーションがご好評をいただいています。受注は中古マンションを販売する不動産会社からの紹介が中心ですが、自社集客も増やしたいと考えてデジタルマーケティングを開始しました。しかし、ほとんど効果がなく改善方法も分からなかったため、2023年度に公社のハンズオン支援(アドバイザーが専属で継続的に支援)を申請しました。
支援1年目はローカルSEOとコンテンツSEOに注力
支援の1年目はアドバイザーのサポートにより、SEO対策に注力しました。まずはローカルSEOとして、Googleビジネスプロフィールにてお客様にクチコミを投稿していただいた結果、近隣エリアの集客強化に成功しました。並行してコンテンツSEOにも取り組み、Webサイト内の施工事例やコラム記事を強化したところ、検索ボリュームのあるキーワードにおいて検索順位を向上させることができたほか、Web経由のお問い合わせも目標としていた月3件にまで増えました。
■アドバイザーによるハンズオン支援の内容■
問い合わせの「質」向上に取り組む
昨年度はアドバイザーの助言を受けながら多数のコラムを執筆しました。ただし、テーマ選定から効果検証、施策の立案までアドバイザーに頼りきりでしたので、今年度はPDCAサイクルを自社で回せるようになることを目標に掲げました。
加えて、今年度は受注につながる「質の高いお問い合わせ」を増やす施策にも取り組んでいます。この施策の基礎となるのはターゲットの明確化です。専門家派遣によるWebサイト改修のレクチャーには、社長も参加して一緒にペルソナ設定を行いました。そしてアドバイザーと協議を重ね、これまでのファミリー層を含む幅広いターゲットから、「一人暮らしの女性」「二人暮らし・DINKs」をコアターゲットとする方向に舵を切ることになりました。
ペルソナの再構築でターゲットを絞り込み、Webサイトの事例紹介も「女性の一人暮らし」や「二人暮らし・DINKs」に訴求する方向に大きく舵を切っている。すでに確度の高い問い合わせが増え、受注も獲得している。
■具体的な販路開拓への取り組み■
ターゲット変更に合わせたWebサイト改修
設定したペルソナに基づいて、サイト改修を進めていきました。トップ画像はファミリーの写真でしたが、当社のイメージや施工デザインが新たなターゲット層に伝わるよう刷新しました。また、ヒートマップ分析を行うとスタッフ紹介のページがよく閲覧されていたため、社員の顔写真を大きくしたデザインに変更しました。女性一人暮らしのお住まいにも訪問するので、顔がはっきり見えた方が安心感を持っていただけるはずです。今後は効果を検証し、詳細を改善していく段階に入ります。
コンテンツSEOにも継続して取り組んでいます。昨年度は「費用」「キッチン」など検索ボリュームの大きいテーマを取り上げてきましたが、今年度は「女性一人暮らしのリノベーション」「中古マンション購入時のポイント」など、ターゲットに寄り添った情報に絞ってコラムを作成しています。
■支援の感想と今後の展望■
検索順位の上昇と社内の協力体制が成果
当初、<キッチン リノベーション>での検索順位は40位前後でしたが、約1年にわたり効果検証と改善を繰り返して、現在は4位まで上がり、「女性一人暮らしのリノベーション」のコラムは、公開後すぐに検索順位10位圏内にランクインしました。すでにWeb経由で受注を獲得しています。
当初、顔写真の掲載に消極的だったスタッフも、写真の掲載によりお客様の反応が変わったことで協力的になりました。ミーティングへの社長の参加も含め、社内の協力体制が強化されたことも大きな成果と言えます。
自走できる体制へ
昨年度、「SEOはなぜ必要なのか」「コンテンツマーケティングとは」「ブログの書き方」など、基礎的なことを学ぶところからハンズオン支援がスタートしました。デジタルマーケティング初心者だった当社のレベル感、また事業の状況に合わせ、施策のプランニングや実行に伴走していただいたアドバイザーには本当に感謝しています。今年度は事業の成長に直結するペルソナの設定やターゲット変更に合わせたWebサイトの改修、さらにSEO対策を行うところまできました。今後は自社のみでPDCAを回し、さらにデジタルマーケティングを推進していきたいと考えています。
GA4(Googleアナリティクス4)やGoogleサーチコンソールなどWebサイトの効果検証に必要なツールの使い方は、現在アドバイザーから操作方法やデータの見方などを中心に実践方式でレクチャーを受けている。
「コンテンツSEOの取り組みなどお手本になるほどのクオリティです」
昨年の春、「なぜSEOが必要なのか」という基礎的なことからハンズオン支援をスタートさせたわけですが、知識の習得に積極的で次々と施策を実行していきました。特に、阿部さんのコンテンツ制作能力には驚いています。文章作成のセンスに長けているということもありますが、創意工夫と真摯にSEOと向き合い結果を出しました。PDCAを回しながら取り組んだコンテンツSEOは皆さんのお手本になると思います。
※本記事は、2024年11月時点の情報です。
企業情報
企業名 | 藤孝建設株式会社 |
所在地 | 東京都杉並区荻窪1-2-5 |
設立 | 1969年5月 |
事業内容 | マンションのリノベーション・リフォームの設計・施工 ほか |
資本金 | 1,000万円 |
掲載の製品・サービス等について公社が保証するものではありません。