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製造業

自社の強みを深掘りしてお客様の視点で発信し、顧客開拓につなげる

2024/12/02

株式会社東興電機製作所

Web施策を積極的に推進する土橋社長。しかし、実務をメインで担当するITサービス部の山本さんと共に「これで本当に正しいのか」で悩んできたという。現在は「アドバイザーが伴走してくれるので自信を持って取り組めるようになった」と話す。

※写真 取締役社長 土橋 一雄

超微細はんだ加工などの高い技術力を活かし、医療機器や精密機器の受託製造で大手医療機器メーカーと長年の取引を続けてきた東興電機製作所。特定の得意先への依存度を軽減させるため新規顧客の獲得を目指し、その施策の一つとしてデジタルマーケティングに取り組む。まずは自社の強みを深掘りし、WebサイトとLP(ランディングページ)の改修からスタートさせた。

■本事業に申し込んだ背景■

流動的な医療機器業界で新規顧客の獲得を目指す

当社の主事業は各種精密機器の受託製造です。特に顕微鏡を用いた超微細はんだ付け加工を得意としており、超音波診断装置のプローブ(探触子)では多数の実績があります。主な取引先は大手医療機器メーカーですが、中小メーカーやスタートアップ企業ともお付き合いがあります。医療機器業界は企業の統廃合が多く流動的ですから、現在の取引先を大切にしつつ、新たな柱となる新規開拓にも取り組んできました。

独学で知識を得て取り組んできたデジタル施策

以前からWebサイトを活用した販路開拓には力を入れており、数年前からはリスティング広告やビジネスマッチングサイトも活用していますが、Web経由のお問い合わせは月2~3件ほどと、施策の効果は頭打ちになっていました。デジタルマーケティングに関しては、戦略や施策が正しいのかも分からず不安を感じながら取り組んでいました。
そこで、2023年度に実務の担当者が公社のデジタルマーケティング導入スクールを受講し、教わったSEO対策を実践したところ、Googleの検索順位が上がり効果を実感しましたが、「これまでの施策は正しかったのか」「やり方を変えればより効果が期待できるのか」、専門家の意見を聞くために2024年度のハンズオン支援(アドバイザーが専属で継続的に支援)に申し込みました。

株式会社東興電機製作所 ITサービス部の山本さん

デジタル施策の実務はITサービス部の山本さんがメインで担当している。全面改修を図ったLPのテキストはお客様の言葉で表現し、情報も厳選し見やすさを意識したという。同様の考え方でWebサイトにも手を加えている。

■アドバイザーへの相談内容■

自社の強みをWebサイトや広告に活かしたい

当社では、中期事業計画における売上拡大に向けた新規獲得施策の一つとして、Web経由の問い合わせ向上を目標に掲げ、全社的な情報の発信も目指しています。
まずはアドバイザーとともに「自社の強み」を改めて深掘りし、Webサイトのコンテンツやリスティング広告に反映したいとご相談しました。また、サイトデザインやSEOなどのテクニカルな部分についても助言をお願いし、最終的な目標を「問い合わせ数を月5件に増やすこと」としました。

アドバイザーのアシストで強みを再発見

強みの分析と深掘りには序盤から苦戦しました。超微細はんだ加工などの技術力はもちろん強みですが、OEM製造なので具体的な事例や製品は提示できません。アドバイザーからは「見方を変える」「範囲を絞る」という助言をいただきました。例えばカフェなら「日本一おいしいコーヒー」とは言えなくても「三鷹で一番おいしいカフェラテ」として訴求する方法があることを教えていただきました。
そのような考え方でアウトプットした強みの一つが「大手メーカーとの取引実績」です。大手との取引の際には、決算書など財務資料の提出や工場の監査で決められた基準をクリアし、さらに取引開始後も、厳しい納期と品質管理に対応していかなければお取引を継続することはできません。ですから製品を明示できなくても、取引を続けられること自体が信頼の証になると考えたのです。

アドバイザーのサポートにより、新旧サイトのアクセス数やお問い合わせ数などを比較分析し、仮説を立ててサイトリニューアルの準備を進める山本さん。目標としているのは月5件のお問い合わせを獲得すること。

ITサービス部の山本さんと溝呂木アドバイザー

■取り組みの方向性■

自社の強みとお客様目線を意識してWebページ改修

既存のWebサイトやLPにも、もちろん自社の強みを反映させていましたが、製品を掲載できない分、公開できる情報を可能な限りページに盛り込んだ結果、情報過多で読みにくく、かえって問い合わせを妨げている可能性があると指摘されました。当社の場合、公開できない情報こそが「お客様が本当に知りたい情報」であり、それを知るにはまずお問い合わせが不可欠です。「知ってもらいたい」と載せていた情報が逆効果だったのです。
そこで重複していた情報を削除してページのテキスト量を減らしたほか、専門家派遣でWebデザインを学んで、情報をすっきりと見せられるようレイアウトやフォントサイズ、色味などを工夫しました。言葉遣いも「受託製造」から「製造委託」にするなど、お客様目線に変更しました。また、全面改修に取り組んだLPも、「お客様の言葉」でテキストを構成しています。

リスティング広告の改善とLP刷新の効果検証

Webサイトの修正とLPの全面改修は完了しており、あわせてリスティング広告の改善も進めています。10月からは3か月ほどかけて効果検証に取り組み、その後はWebサイトのリニューアルを進めていく予定です。

「デジタル施策で得られた知見を営業や販促にも活かす」

デジタルマーケティング・営業のDXサポートプログラム
アドバイザー 溝呂木 聰

担当の山本さんは実行スピードが非常に速く、1を言えば10の実践・取り組みにつなげられています。例えば自社の強みについて見方を変えるようアドバイスしたところ、次の打ち合わせには十数ページの資料を作成してきてくれました。Webサイトのテキスト修正とLPの改修も予定より早く進み、今後は効果を検証する段階に入ります。新旧を比較して分析し、データから得られた知見を他部署と共有して営業や販促にも活かしていただけたら、全社的な発展に役立てられると思います。

※本記事は、2024年9月時点の情報です。

企業情報

企業名株式会社東興電機製作所
所在地東京都武蔵野市中町1-9-5 第一中央ビル4F-A
設立1963年6月
事業内容精密機器の開発設計および量産製造
資本金1,000万円

掲載の製品・サービス等について公社が保証するものではありません。