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製造業

支援1年目でデジタルマーケティングの効果を実感 さらなる新規顧客の開拓を目指してWebサイトのリニューアルに取り組む

2024/11/25

株式会社厚徳社

Webサイトのリニューアルにあたり、自社の強みと弱みを可視化するため、取引先にアンケート調査を実施。この取り組みで、本社の立地環境など、自分たちでは気づかなかった強みを発見できたと語る総務部長の長田克之さん。

※写真 総務部長 長田 克之

印刷業の先細りを見据え、2年目のハンズオン支援をスタートさせた株式会社厚徳社。初年度のWebサイト改修では、問い合わせ件数が増加し、新規受注も獲得するなどの効果を実感。今年度はアドバイザーの助言をもとに、より問い合わせ件数を向上させ、確度も高めることを目的にしたWebサイトのリニューアルに取り組んでいる。

■支援1年目の取り組みと成果■

Web経由の新規顧客開拓を求めて支援を申請

当社の主力事業は、書籍を中心とした印刷です。出版物のデータ作成から印刷・製本・配送までをワンストップで手がけているのが強みになります。また、デジタルサイネージや販促物の制作、学会事務局運営など幅広く事業を展開しております。近年、ペーパーレス化の影響により、印刷業界は市場の縮小が加速しています。既存の取引先だけでは立ち行かなくなるという危機感から、2023年にハンズオン支援(アドバイザーが専属で継続的に支援)に申請し、Web経由の受注拡大を目標に、既存のWebサイトの改修に取り組みました。

部分改修で問い合わせが増加、3件の新規顧客を獲得

ハンズオン支援が始まった頃は、社長を除く推進チームの誰もがデジタルマーケティングの効果に半信半疑だったため、アドバイザーから「Webサイトを全面的にリニューアルするか、それとも少しずつ改修していくか、どちらにしますか」と質問され、手間がかからないであろう後者を選択しました。
1年目はSEO対策のためにWebサイト内のタイトルを工夫し、また問い合わせのボタンやフォームを見やすくするといった簡単な改修からスタートしました。しばらくして、Web経由での問い合わせが増え始めると、チーム全員のモチベーションが一変し、積極的に意見を出しあうようになり、Web経由の新規顧客を3社獲得。また、対面営業においても、Webサイトをプレゼンテーションの資料に利用する営業部員も増えていきました。

株式会社厚徳社のデジタルマーケティング推進チームと石井アドバイザー

デジタルマーケティング推進チームは、鈴木代表をはじめ、総務部1名・営業部2名・制作部2名で構成されている。外部委託をせず内製にて、かつこれだけの人数で施策を進めている中小企業は少ない。

■2年目の支援を申し込んだ背景■

リニューアルは全て自社内で作業

4月から2024年度のハンズオン支援が始まり、アドバイザーにまずはWebサイトのリニューアルを相談しました。企画と構成をデジタルマーケティング推進チームで固め、制作は印刷のDTPを行っている制作部の社員が担当します。SEOや写真撮影など、足りない知識は専門家派遣で学ぶスケジュールも立てました。
アドバイザーには詳細なことまで相談しました。例えば、新しく導入した製本機もアピールしたいと相談したところ、「機械そのものではなく、完成品を見せることが顧客目線」との助言をいただいたことを印象的に憶えています。自分たちではどうしても機械や設備による訴求を考えてしまうのです。このように、専門家の客観的な意見から多くのことを学びました。
SEOに関しても同様のことがありました。当社は四六全版印刷機を備えているのが大きな強みで、検索ワードも<四六全版印刷機>で上位になるよう取り組んでいました。しかしSEOの専門家派遣にて、実際には<新宿区 印刷>といった地域名や顧客目線のキーワードが重要との指摘を受けたのです。SEOに関しては、まだまだこれから学んでいかなければなりません。

■取り組みの方向性■

業務を優先し、できるところから

リニューアルしたWebサイトの公開を8月と決め、業務と並行しながら急ピッチで進めたところ、リリース後にアドバイザーから多くの不備を指摘されたのです。その後は明確なロードマップを設けず、できるところから取り組む形にしました。
現在(2024年9月)はメニューとタイトルの不整合やディスクリプションの誤記を修正中です。今後は不備を防ぐため、全ページの構成表を作成し、推進チーム内で可視化できるようにしたいと考えています。今までは担当者が感覚でまとめていたため、第三者がチェックする方法がありませんでした。

事例集で技術力をアピールし新規顧客を開拓

リニューアルの目途が立った後は、制作事例記事を充実させたいと考えています。現在も多少は載せているのですが、当社ができることは遥かに多いのです。特に見せたいのは技術と設備が必要な特色印刷です。完成品を掲載することで、当社の技術力をアピールしていきます。
取り組みのゴールに設定したのは、月10件の問い合わせと見積り依頼です。最近、立て続けに4件の問い合わせをいただき、現在は営業担当者が商談を続けているところです。Webから対面営業につなげる良い流れができていると感じています。
ただし、ハンズオン支援を受ける前の自分たちがそうであったように、Web活用にネガティブな印象を抱いている従業員が少なくありません。印刷業界では、長年にわたり訪問して販路を開拓する営業活動が当たり前とされてきたのです。実は、そこが最も苦労するところです。まずはより大きな効果を出し、多くの従業員をデジタルマーケティングの推進に巻き込んでいくこともこのチームの役割だと考えています。

「市場は縮小している。しかし、印刷物が無くなるわけではない。まだできることはある」と、製本機を導入するなど常に前向きな姿勢の鈴木理明社長。1年目の支援で効果を実感し、石井アドバイザーへの信頼は厚い。

鈴木代表(右)と石井アドバイザー(左)

「サイト経由の問い合わせは徐々に増えています 今後は受注につながる施策が課題」

デジタルマーケティング・営業のDXサポートプログラム
アドバイザー 石井 邦利

「Webサイトは全て自社で制作、広告費はかけない」の方針で施策を進めてきました。最初は効果が出やすく簡単な改修からスタートし、小さな成果でまずはデジタルマーケティングに興味を持っていただきました。問い合わせが増えるごとに推進チームの反応が変わり、現在では積極的に意見が出ていますし、改修も地道に取り組まれています。今後は、問い合わせをどのような仕組みで受注につなげていくかが課題です。推進チームとは次の施策を検討中です。

※本記事は、2024年9月時点の情報です。

企業情報

企業名株式会社厚徳社
所在地東京都新宿区上落合1-16-7 エヌケイビル5F
設立1929年12月
事業内容総合印刷/デザイン・製本・デジタルメディア媒体作成
資本金6,000万円

掲載の製品・サービス等について公社が保証するものではありません。