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製造業

Webサイトを最適化し、収集した顧客データを対面での営業活動につなぐ

2024/03/25

株式会社厚徳社

株式会社厚徳社は、印刷・製本工程のワンストップサービスを強みとしている。「Web集客を対面営業につなぐことによって、プラスのスパイラルを作りたい」と話す鈴木代表。

確かな印刷技術で信頼を積み重ね、創業から95年の歴史を持つ株式会社厚徳社。同社の強みは、DTPから印刷、製本、納品までを一貫して手がけているところにある。すでに推進している自社工場のDX化に続き、新規の顧客獲得を目的とした営業活動におけるDXに取り組んでいる。

※写真 代表取締役 鈴木 理明

■本事業に申し込んだ背景■

印刷業界の「先細り」に危機感

当社は1929年に活版印刷からスタートし、現在は書籍を中心とした出版物のデータ作成から印刷、製本、配送、さらにはデジタルサイネージやノベルティといった販促物の制作まで、印刷を核とした幅広い事業を展開しております。ハイパフォーマンスな設備と24時間稼働体制によるワンストップの印刷サービスのほか、学会誌の制作・発送などを含む医療学会の事務局運営の受託なども行っております。主要取引先は出版社や同業の印刷会社で、その多くは50年以上にわたり取引をいただいているお客様です。ただし、昨今のペーパーレス化により、既存のお客様だけでは先細りになる可能性を危惧していました。

認知向上と新規顧客獲得にトライ

そこで、デジタルマーケティングにより当社の認知向上や新規顧客の獲得にトライしたいと考え、ハンズオン支援(アドバイザーが専属で継続的に支援)に申請しました。また、既存のWebサイトは改修が必要だと感じていましたので、プロの視点による改善点の洗い出しと新しいアイデアを期待しました。

両面印刷で「高品質化・短縮化・高速化」を追求。最新鋭の「四六全判2色両面機」により、品質保持と短納期の顧客ニーズにもワンランク上の対応力で応えている。

■アドバイザーによるハンズオン支援の内容■

優先順位を決め、Webサイトの改修に着手

事業の柱は主に3つあります。ひとつが同業の印刷会社からの「下請け型の印刷受注」、次に高度なニーズに応える「高精細印刷の受注」、そして医療学会などの「学会運営の受託」です。ターゲットと施策の優先順位をアドバイザーと話し合い、まずは同業他社からの印刷受注に焦点を絞り、Webサイトを改修することにしました。

■具体的な販路開拓への取り組み■

強みの捉え方・伝え方の「落とし穴」

「御社のWebサイトには、まだ載っていない強みがたくさんあります。それをしっかり伝えましょう」というアドバイザーからの指摘でスタートしたハンズオン支援は、まさに“発想の転換”の連続でした。既存サイトは、所有している印刷機や製本設備の機能面を中心に訴求し、当社のサービスではなく機器のPRになっていたのです。アドバイザーの「重要なのはその機器がお客様にどんなメリットをご提供するかです」という助言は特に印象に残っています。同じテーマでも、顧客目線に立つことで伝わり方がガラリと変わります。さらに「工場の前に10tトラックを横付けできる」「自社倉庫を所有している」なども、顧客にとってはメリットになることにも気づかされました。ハンズオン支援は自社の強みの捉え方や打ち出し方を知る貴重な学びになりました。

顧客の声や社員の顔が見えるコンテンツを追加

さらにWebサイトの改修で取り組んだのが、UIの改善と新たなコンテンツの追加です。1ページが長すぎると離脱につながるという指摘を受け、グローバルメニューやバナーを設置してコンテンツを増やし、また電話番号を目立つ場所に移動するなどしてお問い合わせの導線を考えたレイアウトに改良しました。新たなコンテンツとしては、顧客の声や似顔絵入りの社員紹介を盛り込み、対応力や親しみやすさが伝わるページも新規で作成しています。今後は、当社の印刷品質や稼働力を伝える動画制作にも取り組む予定です。

写真はプロジェクトの主力メンバーとアドバイザー。(前列 右:鈴木代表、中:石井アドバイザー、左:営業部 篠原さん、後列 右:総務部 長田さん、左:学会事業推進部・営業部 関根さん)

■デジタルマーケティングの効果■

Webサイトの反響に確かな手応え

印刷業界は、まだまだ対面のルート営業が基本です。正直、ハンズオン支援の当初は「本当に効果が出るのか?」と半信半疑でした。しかしアドバイザーの助言のもと、我々の希望も交えサイトを改善した結果、徐々にお問い合わせや見積り依頼が増え、確かな手応えを感じています。また、当社の強みを再発見・再確認することで、従来の営業での訴求ポイントも増強されました。営業DXによる定量的成果はもちろん、一番の成果は自分たちの営業への考え方がアップデートされ、社内の意識改革につながったことだと思います。これはプロジェクトのメンバーを、営業・学会事業推進・総務・制作部門の最前線に立つ従業員としたことで、全社員に今回の取り組みの本気度が伝わり、また施策の目的を情報共有できたことによるメリットです。今後もWebサイトを基点にしたデジタルマーケティングを継続的に進めていきます。

視点を変えることで眠っている「強み」が見つかる

デジタルマーケティング・営業のDXサポートプログラム
アドバイザー 石井邦利

自社の強みは意外と気づきにくいものです。客観的な姿勢で見つめ直すと、当たり前と思ってきたことが実は大きな強みであったり、また競合と差別化できるポイントが眠っていたりすることに気づきます。厚徳社さんの場合も、客観的な視点で顧客メリットの深掘りをお手伝いすることからスタートし、「ターゲットに伝わるWebサイト」の改修に取り組みました。

※本記事は、2023年12月時点の情報です。

企業情報

企業名株式会社厚徳社
所在地東京都新宿区上落合1-16-7 エヌケイビル5F
設立1929年12月
事業内容総合印刷/デザイン・製本・デジタルメディア媒体作成
資本金6,000万円

掲載の製品・サービス等について公社が保証するものではありません。