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製造業

BtoBからBtoCへ 顧客ターゲットを転換しECでの売上アップを目指す

2024/03/25

アイゼック株式会社

1年目のハンズオン支援(アドバイザーが専属で継続的に支援)で順調に事業を拡大。2023年6月に本社を移転し、社員も新規採用している。「2年目の取り組みでさらに売上を伸ばしていきたい」と話す中村代表。

防犯用監視カメラやレコーダー、映像伝送装置などの販売・サポートを手がける企業。1年目の支援で映像伝送装置の売上を大きく伸ばし、アメフト専用ギアバッグの製造・販売事業もスタートした。2年目は、監視カメラとアメフト専用ギアバッグのECサイト集客による売上アップに取り組む。

※写真 アイゼック株式会社 代表取締役 中村 龍一

■本事業に申し込んだ背景■

1年目支援で映像伝送システムの売上が45%増に

当社は防犯カメラの販売・サポートを主力事業としています。2022年度のハンズオン支援では、2本目の事業の柱である映像伝送システムの売上拡大に取り組んできました。Webサイトの改修やRMF分析(直近の購入日・購入頻度・購入金額をもとにした顧客分析)による顧客関係強化に取り組み、売上は前年度比で145%に増加しました。同時期にアメフト専用ギアバッグの製造・販売事業を立ち上げてECサイトを構築しています。

自社ECサイトの販売状況

支援の1年目で、映像伝送システム事業は充分な成果を得られましたが、実はアドバイザーと策定した昨年度のロードマップの達成度は50~60%ほどです。主力商品である防犯カメラの売上拡大を目指し、ECサイトを制作したのですが販売が不調なのです。自社ECサイトでのアメフト専用ギアバッグ販売も売れ行きが伸び悩んでいました。

■アドバイザーによるハンズオン支援の内容■

2年目の目標は月間売上100万円とCRMの活用

2年目の支援では、防犯カメラとアメフト専用ギアバッグ販売において、ECサイト経由の売上を月100万円に伸ばすことを目標に掲げました。また、これまでもHubSpotというCRM(顧客関係管理)ツールを導入してはおりましたが、使いこなせておらずデータもあまり整備できていない状況にあったため、アドバイザーから有効な活用方法を学びたいとも考えていました。

エンドユーザーのペルソナを明確に

アドバイザーからの提案は「防犯カメラ事業の想定顧客のペルソナを深掘りして作りこむ」ことでした。それまでのターゲットは防犯カメラの施工を行う電気工事会社などでしたが、新たな顧客層としてターゲットにしたエンドユーザーのペルソナが曖昧で、「当社製品の強みであるAIなどの高機能カメラの訴求が、ターゲットに上手く刺さっていないのではないか」との助言をいただきました。その後もアドバイザーと協議を重ね、エンドユーザーのペルソナ像を具体化して訴求するよう、内容の改善を随時実施していきました。

Webサイトは、コンテンツの充実やUIの向上など、今年度になってさらにブラッシュアップした。集客力の向上は中村代表とアドバイザーの地道な取り組みの積み重ねにより実現している。

■具体的な販路開拓への取り組み■

ECサイトと顧客管理をBtoC仕様に変更

まずは防犯カメラのECサイトをBtoC仕様に変更する取り組みを開始しました。それまでのサイトデザインはBtoB仕様のシンプルな構成でしたので、エンドユーザー向けに分かりやすく、また用途に合わせて選びやすい構成にしました。また、BtoCでは多様なお客様と関わるため、顧客サポートや顧客データ管理が重要になります。お問い合わせをいただいた際に、CRMツールに顧客属性を入力する体制を整え、その後のデータ解析やサポート、機器更新のアプローチをスムーズに行えるよう社内の体制を整えました。

アメフト専用ギアバッグはAmazon出品

アメフト専用ギアバッグの販売方法は、Amazonへの出品に方向転換しました。アメフト選手の発案によりスタートした事業なのでユーザー視点の商品です。新たに開発したアスレティックトレーナーバッグも、現役トレーナーに直接ヒアリングすることによって、使い勝手にこだわった商品になりました。購入者のカスタマーレビューも高く、口コミやSNSによる拡散でもユーザーが増加しています。ニッチなマーケットですし、ペルソナが明確という特性から、自社ECサイトでの集客よりも、Amazon出品により効率的に確度を高めるほうが必要としているユーザーの目に触れる機会が多いと考えました。

■デジタルマーケティングの効果■

顧客管理の強化と自走体制の確立

2023年の秋頃からアスレティックトレーナーバッグは、SNSでの高評価を受け、売れ行き好調です。今後はアフィリエイト広告の利用を考えており、ブロガーに商品アピールを依頼する予定です。各施策の基本的な方向性は固まったのでCRMツールの使い方をさらに深めていきます。Webでのペルソナを踏まえたアピールや、MA(マーケティングオートメーション)にも活かしていく予定です。来年度はWeb広告やデータ解析、サイトの微修正を自社で行う体制を整備すると同時に、データの連携設定も綿密にしていくことでデータの抜け漏れをなくし、各施策をブラッシュアップしていきます。

2023年度の前半はデジタルマーケティング施策に注力し売上向上に成功。受注増加に対応するため、従業員のさらなる増員も検討し、事業拡大を目指す。

スピード感のある実行力が想定を超える成果につながっています

デジタルマーケティング・営業のDXサポートプログラム
アドバイザー 石山 祐己

アイゼック株式会社のハンズオン支援は2年目になります。1年目から積極的な姿勢でデジタルマーケティングに取り組まれており、牽引する中村代表は豊富な知識と施策を実行するスピード感を備えるデジタルの「上級者」だと思います。またデジタルへの取り組みの背景として、ビジネスモデルの再確認からPDCAを組み直すといった着実な面もお持ちなので、それがスピーディな成果につながっています。

※本記事は、2023年12月時点の情報です。

企業情報

企業名アイゼック株式会社
所在地東京都府中市美好町3-15-30
設立2004年10月
事業内容映像関連装置の開発・販売/アメフト専用ギアバッグの開発・製造・販売
資本金400万円

掲載の製品・サービス等について公社が保証するものではありません。