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製造業

約8か月で20本の動画を作成 顧客との信頼関係を構築する製造業の動画マーケティング

2024/03/15

東京ブレイズ株式会社

「動画を活用して企業情報の発信を行うことで、顧客との信頼関係構築だけでなく社内の雰囲気も良くなった」と動画プロジェクトを牽引する石井さん。

「ろう付」加工および装置や材料の開発・製造・販売を行う東京ブレイズ株式会社。コロナ禍で対面営業が制限された時期に、営業DXの一環として動画マーケティングに着手。BtoB製造業ならではの制約があるなか、PR手法を工夫して顧客との関係構築や販路開拓につながる動画制作に取り組んでいる。


※写真 マーケティングプロジェクト 参事 石井 葉一

■本事業に申し込んだ背景■

コロナ禍を契機に動画制作に着手

当社は1970年の設立以来、ろう付に特化しており、技術力とワンストップでの解決力を強みとしています。ろう付とは「ろう接」という金属接合方法のなかで、用いる溶加材の融点が450℃以上のものを指します。対して450℃以下のものが「はんだ付」です。ろう付は、一般の方にとってイメージするのが難しい技術で、新規顧客への営業活動には工場見学が不可欠でした。しかしコロナ禍で対面営業が難しくなり、営業活動をサポートする施策として動画の活用を推進することになりました。

「内製で・安く・簡単に」を目指して

まずは、ろう付の仕組みを紹介する動画を外部委託で制作しました。その動画を企業サイトにて公開したところ、営業先や社内で「分かりやすい」と好評だったため、動画活用のメリットは理解していました。とはいえ、外部委託するとコスト負担が大きく、解決策として内製化を模索していたところ、動画制作の経験やWebクリエイター能力認定の資格を有する若手社員がいることが分かり、私も含めて4名で動画プロジェクトチームを立ち上げました。しかしながら、個人配信の動画と企業のPR動画では視点も違いますし、公開にはコンプライアンスへの配慮も必要です。そのような経緯から、専門家のサポートを得たいと申請したのがハンズオン支援(アドバイザーが専属で継続的に支援)でした。

■アドバイザーによるハンズオン支援の内容■

製造業ならではのハードル

当社の工場では機密の技術や製品を扱うことが多く、内部の公開ができないという制約があります。そのような事情をアドバイザーに相談したところ、「製品を映せない場合でも、工場で働く人の真剣な表情や真摯な姿を見せることで企業の魅力を伝えることができます」との進言があり、コンテンツの作成計画から配信するSNSの選定、撮影・編集方法など、多くの実践的なことを協議していきました。たとえば「撮影は皆さんが使い慣れているスマホで充分です」とのレクチャーには驚きましたが、メンバーは使い慣れているので、モチベーションも高まったようです。

工場内にある同社の代表的なろう付装置『連続式水素炉』。動画コンテンツでろう付の技術や会社の雰囲気を伝え、問い合わせの入口とすることで営業活動につないでいる。

■具体的な販路開拓への取り組み■

同じテーマをシリーズ化して動画作成

アドバイザーの「全く違うテーマで何本も作るのはプロでも大変です。同じテーマをシリーズ化しましょう」の助言をもとに、支援スタートから8か月余りで20本の動画を制作しました。プロジェクトメンバーの若手3人にとって、いまやアドバイザーはメンターのような存在です。撮影や編集の実践的な技術指導のほか、「まずは自分が観たいと思える動画を撮ること」「必ず試写を行い、視野を広げて客観的にチェックすること」など、制作・チェックの視点に及ぶことまで、貴重なノウハウを教えていただいています。

東京ブレイズへの親近感を育む

動画制作の最終的な目標は受注獲得ですが、すでに公開している動画では、経営層がフレンドリーに話す姿や営業部員の一日、社員旅行の様子などが顧客や営業先に好評で、社内の活気が伝わることによって当社への親近感が育まれているようです。

アドバイザーが絶賛するチームワークを誇るメンバー。(左から、菅野アドバイザー、マーケティングプロジェクト・石井参事、営業部・森川さん、製造部加工課・三宅さん、管理部・昆野さん)

■デジタルマーケティングの効果■

動画は顧客との関係性を深めるPRツール

動画をきっかけに顧客や営業先から連絡が入り、営業担当者との関係性が深まるなど、狙い通り「お問い合わせの入口」としての効果が出ています。また、動画への社外からの評価が高いことにより、世代や部門の壁を越えたコミュニケーションのきっかけにもなるなどの定性効果も出ています。

アドバイザーの支援がチカラに

今回の動画プロジェクトでは、技術的な部分に留まらず、運営全体をサポートしてくれたアドバイザーの貢献度は計り知れません。立ち上げ当初のまだ社内理解が少なかった頃は、アドバイザーが自ら社内全体会議の場で動画マーケティングの意義を語っていただくなどのエピソードがあり、常に前向きな姿勢で伴走していただきました。今後は、動画配信によるろう付の講習会や同業他社とのコラボレーションなど、業界全体を盛り上げる活動も進めていく予定です。

製造業における配信動画の可能性を広げるポテンシャル

デジタルマーケティング・営業のDXサポートプログラム
アドバイザー 菅野 契也

シナリオ作成、撮影、編集を行うメンバーは、全員が入社5年までの若手で、このメンバー構成からも会社が制作する動画に新たな発想と価値、変革を期待していることが分かります。メンバーの信頼関係も素晴らしく、ここまで意欲的に、楽しんで進めていくチームに、未だかつて出会ったことがありません。製造業における動画マーケティングの答えの一つがここにある。そんなポテンシャルを感じています。

※本記事は、2023年12月時点の情報です。

企業情報

企業名東京ブレイズ株式会社
所在地東京都世田谷区南烏山3-23-10
設立1970年2月
事業内容ろう付加工・熱処理加工、ろう付材料・ろう付装置・熱交換器の製造・販売
資本金3,000万円

掲載の製品・サービス等について公社が保証するものではありません。