Q 事業の概要を教えてください
A
DXコンサルティングとSaaSサービスの開発・運営を行う情報サービスの会社です。具体的には、大手企業のDX推進をお手伝いするコンサルティングを行っており、また共通的な課題を解決するためのSaaSサービスの開発と提供をしています。
代表取締役CEOの清水は、20年ほどITコンサルティング会社に在籍していましたが、小回りのきく環境で新しいシステムやサービスを提供したいと、2018年に当社を設立しました。「新しいことをやってみたい」というお客様に、新しいサービスをいち早く提供し、ともにチャレンジし、進化していきたい。これが企業のミッションです。
また2021年には、「ソトミル」をリリースしました。SNSやイベント情報、気象データなどをリアルタイムに取得・蓄積し、AIによる独自の分析処理を加えて提供する、当社独自の新サービスです。さまざまな商品を取り扱う店舗で、在庫管理のサポートに役立ててほしいと考えて開発しました。
例えばコンビニエンスストアの場合、雨が降れば傘が売れ、寒くなればホットドリンクが売れるなど、気候の変化によって売れ筋の商品が変わることはよく知られています。その他にも、お花見や花火大会などのイベントがあったり、SNSでトレンドになったりすることで売れる商品が変わってきます。「ソトミル」は、これらの情報をリアルタイムに提供しますので、在庫の過不足を最小限に抑え、商品ロスの削減にもつながるエシカルなサービスなのです。
※写真 Sr.Product Manager 中田由香里
Q 今回の支援事業を活用しようと思ったきっかけを教えてください
A
きっかけは「ソトミル」のリリースです。
清水はこれまでのITコンサル会社時代から大手企業のシステム開発、コンサルティングに従事してきましたので、前職からお付き合いのある大手企業や、その紹介先企業からのご相談を受けることが多く、ほとんど営業活動はしてきませんでした。
でも「ソトミル」は、当社が発信する 新しいサービスです。新規のお客様を獲得するアプローチが必要となります。ただし少人数で運営しているベンチャー企業ということもあって、営業活動の専任者がいませんでした。ですから全社員が現在の仕事と兼務して取り組めるような方法がないかを検討していたのです。
実はIT業界は意外と展示会が多く、営業活動の選択肢の1つなのですが、ずっと会場に張り付いているわけにもいきません。また、広い会場のブースでシステムを紹介しても目立たないし、非効率だと思って敬遠していたのです。
ところがコロナ禍の影響で、オンライン形式の展示会が増えていることがわかりました。海外展開も見据えていたので、オンラインで販路開拓することに将来性を感じていた矢先でしたので参加を検討したのです。ところが、オンライン展示会がどういうもので、何を用意すればいいのか、まったくわかりません。ネットで「オンライン展示会」を検索したところ、公社のオンライン活用型販路開拓支援事業がヒットしたのです。専門家からオンラインの基礎知識が学べて、オンライン展示会出展の支援もある。「これだ!」と思って申し込みました。
Q 具体的にどのようなことに取り組みましたか
A
アドバイザーには、当社について深く知ることからスタートしていただいたので、安心して相談することができました。どういうサービスを、誰に提供したいのか。今回はどんな支援を望んで、何を目指しているのか。そのようなことをきちんと把握していただいたのです。その上で、やるべきことをリストアップして、優先順位を付け、どこから着手すればいいのかを整理をしていきました。
具体的には、まず「ソトミル」ページの作成です。現在のホームページはコンサルティングの情報のみにし、独立したサービスページを立ち上げました。そして顧客目線でのコンテンツチェック、お客様へのわかりやすい伝え方などをアドバイスいただき、ランディングページを作成したのです。同時にオンライン展示会の出展に向けた準備を進めました。
1回目の展示会は10月ですが、スタートしたのは8月です。2ヶ月で、ブースコンセプトの検討と整理、動画制作、アンケート作成などを行ったので、かなり大変でした。ただし、ここでしっかり作り込んでおいたので、その後のオンライン展示会は、非常に楽でした。11月から2月にかけて4回の展示会に出展したのですが、ひな形ができているので展示会の主旨やターゲットにあわせて組み替えるだけで対応できるのです。余裕を持って取り組むことができました。
今まで全く露出がない状態で、ゼロからのスタートでしたが、半年間で5回のオンライン展示会に出展し、1000件以上のリードが獲得できたのは、大きな成果だと思っています。
Q 今後の展開について教えてください
A
展示会での反応をもとに直ちにサービスの拡張に取り組んでいます。
1つ目は基本サービスの充実化です。ターゲットとしているユーザーに、より分かりやすく直感的に使ってもらえるように見直しています。
2つ目は大手企業が悩んでいる問題に対する専門的な、あるいはニッチな機能の追加です。まだ詳細を公表することはできませんが、実現できれば、現在、食品産業で課題となっている社会問題「フードロス削減」にも、直接貢献できるサービスになると考えています。
また、オンライン展示会にも積極的に出展していくつもりです。今回は想定していた業種やユーザー以外からの問い合わせや反応があり、まさにオンラインを活用した販路開拓を実感しました。
今後は、さらなるサービス拡張に高速で取り組みながら、継続してオンライン展示会等への出展を進め、まずは国内の実績を増やしたいと考えています。
企業情報
企業名 | アライン株式会社 |
所在地 | 東京都千代田区霞が関 1-4-1 日土地ビル2F |
設立 | 2018年9月 |
事業内容 | DXコンサルティング/ SaaSシステム開発・運営 |
資本金 | 500万円 |
掲載の製品・サービス等について公社が保証するものではありません